この本に出会えてよかった

素晴らしい一冊。
私のバイブル本になりました。
読みはじめてすぐ「過保護なうちと似てる」と感じて胸がざわめき
ページをめくる手が止まらなくなり夢中になって読んでしまいました。

「私の家族のこと見てた?」
という気持ちになります。
ずっといい親だと信じていたし信じたかった。

「でも私の家族はどこかおかしかった」
「やっぱりそうか」
と心が震えました。

「虐待はあった」と認める

「毒親」「虐待」という言葉の刺激が
あまりにも強烈すぎるし暴力はなかったから
「うちは違う」と否定したかった。
でも残念だけれど精神的虐待はありました。
まず認めることがはじめの一歩なのだそう。

父、母、私は一人っ子。
過干渉でヒステリーな専業主婦の母。
自己愛が強くキャリアのある忙しい父。
親のことは大好きだし
私はずっと優等生でした。
大事に大事に愛されて育てられました。

だからそんな大切な親のことを
「毒親だと思うなんて」と
罪悪感と抵抗感がありました。
ずっと毒親ならわかりやすかった。
いい親だったり悪い親だったりした。

「私は虐待されていたんだ」と思うと
とてもショックだし「いやまさかそんな」
「でもやっぱり」を反復して混乱してしまいます。

その心の反応は自然なこと。
自分の感情を否定しないで。

と解説されていてとても優しくあたたかかった。

「不安型」

「不安型」
自分が愛を求めたときにもらえたりもらえなかったり不安定な環境で育った人。
常に相手の顔色を伺わなければならない。

あてはまりすぎてびっくり。
私は完全にこれでした。

友達の少ない母は社会とのつながりも
ほとんどありませんでした。
私と母はいつもふたりきりの閉鎖空間にいました。
母のヒステリーに怯えていつも顔色を伺っていたし
母の機嫌のいい悪いで家の空気が変わってしまう。

怒った母が冷蔵庫やドアをバーンッと閉めたり
ガシャンッとお皿を割る音がトラウマです。
たまにではなく毎日のストレス体験でした。

子供の私はルールがわからない状態でした。
だってルールなんてなかったんです。
いい子だから愛がもらえて
悪い子だからもらえないのではなかった。
私がなにをしたかではなく母の気まぐれでした。
私は不安定な環境で育った人でした。
なるほど、だからよい人間関係を
学習できない子供時代だったんですね。

親のタイプ

この本では親のタイプを丁寧に整理しながら
それぞれの傾向と対策を教えてくれます。
私の親は「不安定な愛着スタイル」でした。
子供の私は母の機嫌をとる
「親の親のような」存在でした。

親が抱える事情

毒親問題の根っこは子供にあるわけではなく親が抱える事情にあります。
病気のケアをすべきなのは
子供ではありません。
ケアすべきなのは
パートナーや治療者です。

ここが私にとっての発見でした。
私はずっと責任を感じていました。
欲しかった答えがここにありました。

母がなにかを抱えているのはわかっていました。
母もまた毒親育ちだったのかもしれませんし
そんな母を隠して治療させなかったのは父です。

精神的な病気への差別も偏見もあり
プライドが許さなかったのだと思います。
母にも父にも問題があり事情があったということを
心から理解できるまでゆっくりやっていこうと思いました。

喪失体験

大切な人が亡くなったとき
「悲哀のプロセス」を歩む。
毒親問題もこの喪失体験のひとつ。

ここも発見でした。
知れてよかった。
うちの家族はずっと3人でやってきました。
絶対に正しいと思っていた親は
「不安定な母と自己愛の父」だった。

つまり今まで信じていた正しい親はいなかった。
それは「死」のようなものなんだ。
「死と同じ喪失体験ならこんなに
動揺するのも自然だな」と思いました。

「ゆるし」とは

「ゆるし」は親を許すことではない。
自分のために生きていくことが「ゆるし」
親と絶縁することと
「ゆるし」は両立するのです。

頭のモヤモヤが晴れてすっきりしました。
毒親だなんて思いたくなかった。
そんなひどいことしたくなかった。

でも「親に感謝していること」と
「親を嫌だと感じること」は両立するんですね。
この「両立する」という考え方が
ずっとわからなくて親の言葉に
コントロールされ支配されていました。

人生のイベントはすべて相談し
報告しなければならなかったし
親の許可をとって選んできたように思います。
私はいい子でいたかったのです。

自分の毎日を生きる

母は私、私は母の分身でした。
でももういい子でいなくていい。
私は母の分身じゃない。母と私は別人だ。
浄化されて呪いが解けたような気分です。

これからは自分で選んで自分で決めて
自分の毎日を生きていきます。
これからのすべては自分の選択の結果であって
親のせいではありません。
自分の人生に責任を持ちます。

この本に出会えてよかった。
ここまで整理して本にまとめてくれた
精神科医の水島広子さんに感謝しかありません。
ありがとうございました。

水島広子『「毒親」の正体』📚

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